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2012年8月29日 (水)

NHK番組改変問題とは何だったのか

 今日、NHKの受信契約の訪問員が来たが、「うちにはテレビがない」(本当です)と言って断った。 そもそも、あやふやだった気持ちを非契約と決めさせたのが、NHK番組改変問題(2001年)だった。 期待を持たせるような甘言で取材をして、編集の自由があるからとして裏切るというものであった。

 その編集は当初からの予定ではなく、横やりが入ってから急遽行ったものらしく、放送の尺(番組枠自体)が普段より短いものとなっていたのである。 政治家からの圧力があったのかどうかは裁判では判断されず結局うやむやになっている。 最高裁判決は取材を受けた原告側が特別約束を交わしていない以上、期待権は認められないというものであった。 とはいえ、初めから番組意図を明らかにし、末端取材者にはその説明義務を課し、契約云々以前に道義上の指摘を受けないように振る舞うのは当然のことである。

 かなり、前置きが長くなったが、この問題となった番組って確か……と調べ返してみたら、やはり「従軍慰安婦問題」だった。 どうも、当時のNHKには予備知識が無いまま取材源に近づくことの危険性を認識していなかったようである。 限られた取材時間で証拠資料についての真贋を見抜けるはずもなく、当初、一方の当事者側(慰安婦側)だけの取材で済ませようとしたことから、報道の客観性を保てないのが明らかだった。 で横やりが入る(NHKは表向き否定している)。

 結論として、番組への横やりは本来、報道機関として受けるべきものではない。 しかし、それ以上に杜撰な下準備で重い企画を扱ったことについて、その事実を真正面で受け止めた反省をしなかったのがNHK最大の事後失策だったのではないか。 世の左派は報道が政治圧力に屈したと批判し、右派は介入せざるをえない番組自体の存在を批判し、イデオロギー抜きでも取材下手を詫びて社員を処分するわけでもなく「編集の自由」に論点をすり替えたことに不満を持たれた。 これらが総じて受信料の支払い拒否へとつながった気がする。 そして、左派活動家たちは慰安婦問題を米国議会まで飛び火させ、多大な悪影響を与えることになる。

 この件でNHKが内部で反省していないはずはないのだから、そろそろ許してあげてもよいのだが、さすがにテレビがないのに受信料を払うのもなぁ……と思っている。 当時の介入当事者と報道された安倍がまた懲りずに総裁選に出るかもという。 10年以上も前になるのかと思うと感慨深い。

(参考)再燃した慰安婦狂騒曲
http://www.ianfu.net/opinion/hata-ikuhiko.html

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