« 貧すれば鈍する | トップページ | エセ科学への特効薬は調査・質問能力 »

2019年4月 9日 (火)

保守とカリスマ

ゴーン氏動画公開「これは陰謀」 日産経営陣を痛烈批判 [ゴーン前会長]:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASM494J6VM49UTIL02C.html

 日本には「盗人猛々しい」という言葉がある。 “居直り”を表す言葉だ。 これほどの証拠が上がっていながら、その具体的な反論をせずに情に訴えたり政治問題化させようと陰謀論を説く。 現代世界はこのような人間であふれかえっているように感じなくもない。 実際には一部に過ぎないはずだが、どうにも目立つのだ。 それは社会が制裁を加えてきっちり引導を渡してこなかったために、強弁がまかり通る風潮を許してしまっているのだろうと思う。 とくに政治家はそうだ。 明らかに黒と思えても、信者を囲って選挙で当選さえすれば不逮捕特権でどうとでもなる。 結局は国民が愚かなだけ。 だから、ゴーンのような経済犯罪容疑者はみな、世論や政治家を味方に付けさえすれば、そこを突破口にピンチをしのげると考える。

 このゴーンメッセージをよく読んで欲しい。 日産役員はゴーンを復帰させたら、どのような報復を行うのかたまったもんじゃないと感じていることだろう。 ゴーンは日産役員とは仲直りする気はさらさら無いというか、あきらめている。 社員にしても、リストラ前提で大ナタを振るえたんなら、ゴーンじゃなくても成功しただろうと考えていることだろう。 日本国民はさしてゴーンに同情的ではないが、代わりに別荘のあるレバノンやブラジル政府が同情的だ。 だがそれは、恩を売っておけば投資が舞い込むという皮算用が透けて見える。 そのような下心なしに陶酔しているのが、THE WALLSTREET JOURNAL(WSJ)紙。 保守系紙でもエビデンスを大事にする大新聞のはずなのに、このようなカリスマ贔屓だったとは思わなかった。 優れた指導者が社会を引っ張りあげるという構図を常に正しいと思いたがるのは保守の悪い癖だろう。 単に歴史に紡ぐのに好都合だというだけでカリスマを用意するのは本末転倒だと思う。

« 貧すれば鈍する | トップページ | エセ科学への特効薬は調査・質問能力 »

報道」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 貧すれば鈍する | トップページ | エセ科学への特効薬は調査・質問能力 »